【JP Short Novel & Art】とあるワルホグ戦闘員の一幕
郊外──ヴィラン・ワルホッグが根城とする拠点。人目に付かないよう建設されたその建物の中、大広間には数十人の男達が集まっていた。
「ワルホグ戦闘員、整列!」
「イ゛ィーッ!!」
広間正面の壇上。豪華に装飾された椅子に座るワルホッグが号令を掛けると、ワルホグ戦闘員と呼ばれた男達は皆奇っ怪な掛け声を上げ整列した。
その光景は異様の一言であった。壇上の椅子に座るワルホッグを除き、皆が身体の正面に白いバツマークが描かれた黒の全身タイツに身を包み、ワルホッグの言葉を待っている。
ここに整列する者──ワルホグ戦闘員達はは皆ワルホッグの異能力によって支配されている。彼らの身に付ける黒タイツ、グローブとブーツはワルホッグの体液によって作られており、全身を覆われ心身を支配される感覚の虜になってしまっているのだ。
額の豚鼻のマークはその思考を全てワルホッグの為に使う下僕である証。バツマークはワルホッグの異能力下にある所有物の証。そして股間の鍵マークによって射精は愚か勃起すら封じられ、いつか許される射精を夢見てより一層身を粉にして働き続けるのだ。
「順々に今日の成果を報告しろ」
ワルホッグの冷たい声が大広間に響く。
「本拠点の一区画分の拡張が完了いたしました! この拡張により新たな中継地点の製造、および新たな戦闘員の収容が可能となります!」
代表として前に並んでいた戦闘員が敬礼すると、腹の底から響くような掛け声を上げて答えた。
この知性の感じさせない間抜けで奇怪な掛け声は人々を畏怖させ、組織の恐怖を知らしめる為のものでもあり、下僕である己とワルホッグとの身分の差を示す為の物でもある。
ワルホッグの命令に対するこの掛け声はYESと従属の意味しか持たず、己がワルホッグの手となり足となって働く忠実な下僕なのだと、その言動でもって示しているのだ。
「ご苦労。これからも我が組織は大きくなり続ける。そのまま拠点の拡張を続けろ」
「イ゛ィーッ!!」
報告を終えた奇声を上げると共に再度敬礼し、気を付けの姿勢に戻った。マスクで見え辛いがその表情には恍惚の色が宿っており。主人であるワルホッグに貢献する喜びに酔いしれている事が見てとれた。
見れば、代表として報告したワルホグ戦闘員、そして共に基地を拡張したであろう後方に並ぶワルホグ戦闘員達の股間の鍵マークが淡く光っている。これは興奮による勃起を〇〇的に抑えられている証だ。最早尊厳など無いが、当の本人達はワルホッグに勃起を管理されている事自体に興奮を覚えているようだった。
「次」
「イ゛ィーッ!! 我々戦闘員でも効率的に同志を増やす為の武器──ワルホグ液体銃の開発を開始いたしました!」
ワルホッグの言葉を受け、代表のワルホグ戦闘員達が次々に成果を報告していく。支配と堕落の力を持つワルホッグの異能力は強力だ。格闘技のプロから研究者まで、どんな者でも戦闘員へと変え自身の手駒にする事ができる。
各々が自分の持てる技術の全てを使い、全力をもってワルホッグに尽くす。一度有能な人材を手下にすれば、更に効率的に手下を増やすこともできる。
それはヴィラン・ワルホッグを捕らえようとする警察──そして、ヒーローでさえも例外ではなかった。
「……」
気を付けの姿勢で並んでいる戦闘員の中に、巨体の猪獣人が混じっていた。脂肪こそついてしまっているが、鍛えているのがわかる逞しく貫禄のある肉体。その肉体があれば今すぐワルホッグを無力化し捕らえることができるかもしれない。
「ご苦労、続けて開発を続けろ」
「イ゛ィーッ!!」
否、できるかもしれないのではなく、できるのだ。何故ならこの壮年の猪獣人は、炎を操る異能力を持つベテランヒーロー、ブレイズボアなのだから。
「次」
ワルホッグの言葉に、巨体の猪獣人の戦闘員がピクリと反応する。数々のヴィランを屠ってきた逞しい右腕が持ち上がる。立派な牙を携えた大きな口が開き、そして。
「イ゛ィーッ!! 本日の偵察の結果、ヒーロー共の巡回ルートを全て把握いたしました! 巡回の手薄な箇所が複数確認されており、そこを突くことで効率的にワルホグ戦闘員を増やす事ができるでしょう!」
多くの人々を安心させ、数々のヴィランを震え上がらせた低い声でワルホグ戦闘員の掛け声を発すると、敬礼と共に何の抵抗もなく成果報告を行った。
ブレイズボアですらワルホッグの異能力に敗北し、それによってもたらされる快楽の虜へと──ワルホッグの下僕、ワルホグ戦闘員へと堕ちてしまったのだ。
最早その逞しい身体が正義の為に使われることはない。正義の象徴である紅蓮のヒーロースーツに身を包み、マントをたなびかせながら堂々と街を歩き、悪事を見逃さんと目を光らせていた猪のヒーローは。悪の手先の証である漆黒のタイツに身を包み、闇夜に紛れながら路地裏を徘徊し、主に捧げる為の善良な市民を見定めるワルホグ戦闘員へと変えられてしまったのだ。
「ご苦労、後で作戦を立てて報告しろ」
「イ゛ィーッ!!」
逞しい牙を蓄えた口から間抜けな掛け声が発される。猪のワルホグ戦闘員は他の戦闘員と同様敬礼すると、再び気を付けの姿勢をとった。
そして、股間の膨らみの上に浮かび上がる錠前のマークを淡く怪しく輝かせるのだった。
*****
「これで全部か。どうやら全員我が下僕として、しっかり働いていたようだな」
報告が終わり、皆が気を付けの姿勢でワルホッグの言葉に耳を傾ける。
「これで我が世界征服の野望も一歩歩みを進めたというわけだ。……これも貴様らの労働の賜物だからな。そろそろ褒美をくれてやるとしよう」
ワルホッグがニヤリと笑みを浮かべると、パチン、と指を鳴らした。すると、「イ゛ィッ♡」「イ゛ィイ♡」と艶の籠った戦闘員達の鳴き声が上がった。
見れば、勃起を許されないはずの戦闘員達全員がちんぽを硬くし、天高く反り勃たせていた。
「我輩の躾がしっかり行き届いているようだな」
ワルホグ戦闘員達の様子を見てワルホッグは満足気な表情を浮かべる。
ワルホグ戦闘員達は常に快感に晒されながら射精を封じられている為、常にムラムラし続けながらも欲求を満たせない哀れな雄だ。だが、そんな男達が勃起を許されても尚気を付けの姿勢を維持し、ワルホッグの次の言葉を待ち続けている。
自身のちんぽですらワルホッグの所有物だと。ワルホッグの所有物であればそれが自身のちんぽであろうと許可無く触れてはならないのだと理解しているのだ。
今すぐ本能の赴くままちんぽを扱きたい衝動を抑えながら、熊の元格闘家も、虎の元重役も、犬の元警察官も、狸の元研究者も、猪の元ヒーローも、息を荒らげながら気を付けの姿勢を維持し続けている。
「いいだろう。利口な貴様らにその哀れに勃起するちんぽを扱く許可をくれてやる。我輩に感謝し、忠誠を示しながら、惨めたらしく快楽を貪ると良い!」
「「「イ゛ィーッ♡♡ ちんぽを扱く許可をくださりありがとうございますッ♡♡ ドン・ワルホッグ様バンザイッ♡ ドン・ワルホッグ様に永遠の忠誠をッ♡♡ イ゛ィーッ♡♡」」」
ワルホグ戦闘員達が皆一斉に敬礼して宣誓すると、右手は敬礼の姿勢を維持したまま左手でちんぽを扱き始めた。
「イ゛ィッ♡」
「イ゛ィーッ♡♡」
「イ゛ッ♡♡」
それぞれが間抜けな奇声を上げながら、ちんぽを扱く快楽にふけっていく。全身タイツを着た男達が整列し、一斉にオナニーを行う様は無様で見苦しく、尊厳も何も残っていない。しかし、そんな事を気にkかけている者はこの中にはいない。
全員が褒美を与えてくれたワルホッグに感謝しながら、その偉大さと寛大さに心酔しているのだ。戦闘員に変えていただいて良かったと。ワルホッグに仕える下僕になれて良かったと。
「フッ♡ フッ♡ イ゛ッ♡ ィーッ♡♡」
壮年の猪戦闘員の鼻から荒い息が漏れる。その視線は壇上のワルホッグに向けられ、一心不乱にちんぽを扱き続ける。
マスクに描かれた不気味なニヤケ目のデザインは、ワルホッグに従い悪事を働く事に常に喜びを感じている事を示す為の物。それは以前の正義感の強い厳格な性格の猪獣人とは無縁の物だ。
しかし、今このマスクを外せばそのデザインと大差ない、性欲に支配された雄の目付きが見えるのだろう。
それがワルホッグに支配されるワルホグ戦闘員へと堕ちるという事なのだ。
「イ゛ィッ♡ イ゛ッ♡」
ワルホグ戦闘員達の勃起するちんぽの下。玉袋に浮かび上がる錠前マークが強く輝いている。
扱く許可は与えられたが、未だに射精許可は与えられていないのだ。それでもようやく許された快楽を味わう為、射精の伴わないチン擦りを必死に続けていく。ブーツを履いた足を綺麗に揃え、額の前に添えられた右手をしっかりと固定し、主人への敬意を健気に示し続ける。
「わはは、我ながら恐ろしい力を持ってしまった物だな。これほどの男達がいて、誰一人我輩に逆らおうとしないのは」
肘掛けに肘を付いたワルホッグは頬杖を付きながら広間を見渡す。成熟した雄達が皆自身の管理下の証である全身タイツに身を包みながら、全員が敬礼しながらオナニーを続ける様は中々の壮観だ。
「さて、そろそろ射精も許可してやろう。滅多にやらん褒美だ。我輩に感謝し、これからもその身を粉にして我輩の為に働くが良い」
ワルホッグが左手を上げて翳す。親指と人差し指を重ねる。そして、雄臭い喘ぎ声を掻き消すように、パチン、と。指を鳴らす音が大広間に響き渡った。
瞬間、ワルホグ戦闘員達の錠前のマークが解錠された物へと変わる。そして……。
「「「イ゛ィーッ♡♡ 射精許可をくださりありがとうございますッ♡♡ 我々ワルホグ戦闘員は、これからもドン・ワルホッグ様の忠実な下僕として、誠心誠意尽くしていく事をここに誓いますッ♡♡ ドン・ワルホッグ様バンザイッ♡♡ ドン・ワルホッグ様に栄光あれッ♡♡」」」
パンパンになった玉袋から精液が迫り上がる感覚に突き動かされるように、ワルホグ戦闘員達全員が声を揃えて宣誓する。
許可が下れば射精を止める障壁は何も無い。全霊で主人であるワルホッグに感謝と敬意を示す為、ワルホグ戦闘員達はちんぽを扱くのを止め腰に手を付けた。
「「「イ゛ィーーーーーッ♡♡♡♡」」」
そして、溜まりに溜まった濃い精液を、ワルホッグを称える祝砲のように天高く放出させるのだった。
ビクンッ♡ ビクンッ♡ と肉厚な身体を震わせながら、焦らされ続けた何日ぶりかの射精に酔いしれる。
己の価値観が書き換えられてしまう程の快楽。精液が鈴口から迸る感覚、全身タイツの擦れる感覚に酔いしれながら、ワルホグ戦闘員達は敬礼を続けていた。
「イ゛♡ イ゛ィ……ッ♡ イ゛────♡♡♡」
それぞれの射精が終わり、広間に雄の匂いが満ちると同時に静寂が訪れる。その静寂を破ったのは、この拠点の主であるワルホッグだった。
「では我輩は部屋に戻るとしよう。掃除を終えたら各々の作業に戻れ。良いな?」
パチン、とワルホッグが指を鳴らす。すると、ワルホグ戦闘員達の勃起はみるみる収まり、いつも通りの竿のシルエットが微かにわかる膨らみに戻ってしまった。
これで彼等は雄にとって当然の権利である射精はおろか、再び竿を扱く事すら禁じられてしまった。しかし、熊の元格闘家も、虎の元重役も、犬の元警察官も、狸の元研究者も、猪の元ヒーローも。皆文句の一つ言うことなく敬礼し、YESと従属の意味しか持たないワルホグ戦闘員の掛け声を上げるのだった。
「「「イ゛ィーッ!!」」」
終
